サッポロ シティ フォーカス

the sight where I met the unconscious of a city, which was crossing the city consciousness.

「雪を包摂する街」考

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100万人以上の都市で、年間降雪量が約6mなのは札幌市くらいのようです。カナダ・トロント市域の人口は250万人・年間平均降雪量1mほど、オタワ市域の人口は81万人年間平均降雪量2m前後。さっぽろの大雪は、札幌市の大きな特色といえるでしょう。サッポロ・シティ・フォーカスでも、街中のビルに降りしきる雪の美しさを多く取り上げました。

近年、雪の有効利用は、様々なところで産業化されつつあるようです。一つは、雪を貯蔵して夏場の冷房に使うというもの。たとえば、冬季、札幌市モエレ沼公園内に積もった雪、約3,000立方メートルを貯雪庫に貯蔵して、6〜9月のガラスのピラミッド館内冷房の冷熱源として利用しているようです。美唄市内には世界初の雪冷房マンションや、老人ホーム、温泉施設など10か所の雪冷房導入施設があるそうです。北海道ではありませんが、冬季に雪をコンテナ貯蔵し、夏季時の冷却に使う実験店舗を作ったコンビニもあります。

二つ目は、降った雪をその時そのまま食品の貯蔵庫として使う。いわゆる雪室(ゆきむろ)。雪の中に直接野菜を入れておくものや、庫内に雪を貯蔵する事で空間自体を冷やす。

都心にあっては汚れやすい雪ですが、降った直後は白い都会の雪をそのまま使う方向がもっと紹介されていいような気がします。都心の雪を郊外に運ぶのに連なるトラック今年も沢山見かけました。札幌の都心には、まだまだ空き地もあり、使っていない地下道もあります。

雪を上手に利用して産業や暮らしに取り入れる状況を、札幌らしい文化として誇りを持ちたいものです。雪を味方につけたいものです。「雪を味方につける。」とは、映画「劒岳 点の記」で使われた言い方です。通常は上るのに嶮しい斜面を、雪が降ってなだらかになった時を見計らって、測量の為に登るところで使われていました。北国ならではの「雪を味方につける」事業や生活について学びたいと思います。

187億7千万円(2013年度札幌市除雪費)を掛けた雪をもっと有効利用できないのかと、隣ご近所とのお付き合いで、共同で排雪業者を呼びつつも雪に埋もれて少し暖かかった自宅で考えていました。

もう、3月半ば、札幌市内の道路の雪は解けていました。午前中は札幌市役所の日陰、午後は北海道新聞社の日陰になり、ほんの一時しか光が当たらない札幌時計台ですが、昔ながらの急こう配の切妻屋根は、よく雪を落としていました。時計塔の頭に帽子のように載っている雪はもう小さく、可愛らしくも見えました。
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メムの出生地

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サッポロには、かつて沢山あったけれど、地下水の汲み上げなどによって水位が低下し、もうほとんど、なくなっていると言われているメム(湧泉地)。北大植物園の塀の横を歩いていて、「地下水観測施設」が中にあるのを見かけました。サッポロは依然として扇状地ですから、伏流水は地下にまだ流れて来ているのでは・・・。もう地上に出るほど量は多くなくとも、深い処で済んだ水が流れているのでは・・・。