サッポロ シティ フォーカス

the sight where I met the unconscious of a city, which was crossing the city consciousness.

札幌市街地緑被率

このブログで公的な情報媒体の批判をしたことはありません。しかし、実感としておかしいと思う報道を読み、言及する必要を感じました。8月13日の道新28面の記事です。

「市街地の『緑の割合』、札幌、政令都市でワースト2、マンション建設など要因」という見出しの文字があります。96年と03年を航空写真で比較していますが、96年は札幌のマンション建設のピークの年で、その後は減っていて、年間100棟ほどです。分譲マンションのマーケティングのためのデータ入力をしていますので、違和感がありました。しかも、その航空写真の地図が載っているのではなく、主観的なイラストだけです。

確かに、都心部は建蔽率が高いので、広い面積を建築物にあてることになります。一方、札幌を形作る山裾、並びに郊外では、原生林が多くみられましたが、それを切り崩して建物のために造成されたのは、マンションではなくむしろ、戸建て住宅用地です。

マンションが建築されるのは大手企業の社宅跡地など、すでに建築物があった場所の方が圧倒的に多いのです。その廃材の処分に環境問題があっても、緑被率にはほとんど関係がないといっていいと思います。

しかも、これは2003年という5年前の数値です。その後2004年に大型台風が来て、大量の倒木があったにもかかわらず、さらに創成川ならびに、駅前の再開発に伴って、大規模伐採を行ったのは緑被率の縮小ではないのでしょうか?同じ記事中に札幌市全体では、仙台市に続いて高い77.6%」の緑被率とあり、むしろ全国有数の緑の多い街なのです。

紙面では、市街地緑地の民有地が0.7ポイント減少したことをもって札幌市が「中心部でマンションなどの建設が進んだため」と分析しているとあります。この文脈のまえに、公有地は2.3ポイント増えてとありますが、この文のあとで述べられている「特別緑地保全地区」の指定により、優れた民有地の買取を行っているという事がつながっているのか、はっきりしません。これまで、「特別緑地保全地区」として、税金によって市が購入したのはどこの土地なのでしょうか?また、その基準はどのように判定されたのでしょう。

建築確認申請受理にかかわる建築の遅滞によってマンション業界全体がこうむっている不利益を考えると、この報道にがっかりしました。札幌市内には、十数万世帯のマンション居住者がおり、その方々に無用な罪責感を与える意味でも、困った報道だと思いました。

近年、多くのマンション建設では、周囲に植樹しているケースがほとんどです。一方、戸建街では、落ち葉の清掃をきらって、過剰な剪定を街路樹にほどこしているケースも多く見られます。札幌市内のビルには、屋上緑化されているところもあります。雨水を一時こまかくためこむアスファルト敷設によって気化熱を奪うなどは、ヒートアイランド現象に対する具体的な解決方法の一つだと思います。

まず自分の媒体で批判しようと思いました。それが、個人がマス媒体に対してできる事だとおもうからです。(この文責は、ペンネームではなく、本名、志田容子にあります。)

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上の写真は今年4月2日、車中から撮りました中央区の分譲マンションです。住友シティタワー円山神宮鳥居前」です。04年5月に発売を開始し2005年11月に完成しています。下の写真も中央区の分譲マンションで2006年8月に発売を開始し、2007年9月完成した「ブリリアタワー近代美術館前」です。

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こちらは、昨年5月5日旭山公園から 市街地を見下ろした写真です。

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上の写真は、昨年8月19日JRタワーから 市街地を見下ろした写真です。 071006teine1

こちらは、昨年10月6日タンネウエンシリ中腹から市街地を見下ろした写真です。

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上の写真は、創成川アンダーパス工事現場で、今年7月29日に撮影したものです。柳の伐採は05年冬。その後、工事が始まりました。

 札幌は市街地に人が集って住みやすくするよう、コンパクトシティ宣言をしています。そこで、中央 区の大半の緑地帯である盤渓方面や、南、西、手稲 区などに森林を残し、高齢化に伴い利便性の高い中心部に人が住めるように誘導した経緯があります。

参考にして考えて頂ければ、と思います。