札幌市中央図書館移動史の一端。
旧大通小学校跡地を撮ろうとして、駐車場に車を留めて歩き始めると、近くで資材を運ぶような音がしました。道の向こうは、東側で、奥が、旧大通小学校。西側手前の塀の中は、韓国領事館。ちょっとキム・ヨナ選手を思い出しました。
音がしたのは、中小路の西側。
旧札幌市中央図書館でした。
この作業は、内装材を運んでいるのでしょうか?昨年の段階では、この建物は、市の書類倉庫として使われていたようです。
さて、これからどのようになるのでしょう?札幌市のコールセンターから、札幌市中央図書館、札幌市教育委員会、をたどって、札幌市政策調整課の方から、お話をお伺いしました。
現在札幌市教育委員会に属しているこの教育財を、来年度中に解体して、市の管財部に移転させる予定との事です。
そして、早ければ、来年の今時分に公募入札の運びになるようです。桑園地区連合町内会には、連絡済みなので、特段秘匿事項ではないそうです。今週は、不用品の処分をしているそうです。
札幌市の中央図書館は、戦後1950年に時計台の中にあり、市立札幌図書館といいました。札幌市北2条西12丁目に新館竣工、時計台から移転。 1967年 「札幌市立図書館」に改称 、1979年「札幌市中央図書館」に改称 1989年旧北海道教育大学跡地に現在の中央図書館が着工。1991年移転しています。
さらにここから西側を臨みます。成長の過程で、日照の変化があったような並木があります。曲がった形を見ながら、中央図書館がなぜこんなに移動するのかと考えました。
そもそも、1987年の札幌教育大の移転がよくわかりません。知がまるで、遠心分離機にかけられているように、都心の外に投げ出されているようで、改めて疑問を禁じえません。
携帯電話やインターネットがあっても、やはり実際に会って話を聞いたり、受け止めてもらったりする交流の大切さは大きい。しばらくご無沙汰していると、どこから関わりを持てばいいのかわからなくなることも多いのですが、いる場所がそもそも近ければ、偶然に会う確率も高くなります。
歴史ある建築物がなくなって、そのあとマンションが立って、すっかり街が変わってしまうと嘆く声を聞くことがあります。しかし、まず、公共建築物の移転があって、そこを利用する人の大きな変化が先にあることが多い点があまり報じられないように思います。
他の県で、まちなか居住促進と、インフラ整備で、活性化が進んだとの話を聞くと、札幌市が時代と反対方向に走っているのではないかと気になります。
都心部で、東南アジア系の言語を耳にすることが多い昨今です。相手にわかる日本語で、街の由来など説明する場面があるかもしれません。
歴史を消してゆく街づくりではなく、受け継ぐために、移転の事情をわかりやすく跡地に表示してほしいと思います。また、資料館に、歴史的建造物を年表にして、札幌市の発展とからめて展示してほしいとも思います。