点在

一面に咲く桜は見事だが、思いがけない処に慎ましく咲いている桜を発見すると、日常の小さな感謝に似た想いになる。

秘かな真実を見出した喜びをいだいているかのように静かに歩く人を、北大植物園で散見した。

晴れて気持ちのいい日で、筆者も夫と歩いた。

自然のままの部分を多く残す北大植物園だが、細やかな手入れがそこここでされている。上の写真に、湿地帯を整えておられる方が写っている。

芝を刈整えている人が、ライラックの灌木の間から見える。草いきれの匂いが広がっている。

学生たちが観察にきている。

中にはっきりした声で教えている方がいた。若いので学生のように見えたが教官なのだろう。

植物園なのだから勿論花は桜ばかりではない。

こちらはシラネアオイ。

白根葵は、絶滅危惧種のようで、本州では守る会などもあるようだ。雪が深く、窪んでいて遅くまで雪が残るところで育つようなので、北海道では適地なのだろうし、研究者もいるのかもしれない。大切にすべき植物について知りうる条件のある場所近くにいるのだから、点のような知識を少しづつでも繋げたいと思った。