サッポロ シティ フォーカス

the sight where I met the unconscious of a city, which was crossing the city consciousness.

晴天の札幌駅前地下歩行空間

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9月いっぱいPC画面上でEXCELとMAPを行き来していた。仕事の目途が付いてきた今日、私的な所用で大通サービスコーナーまで歩いた。いい秋晴れだったが、なにしろ信号がなく目的地へ着く時間が早い札幌駅前地下歩行空間を利用した。途中で、思いがけない光の造形・・・。111006d

自然光を取り入れる事を意図して作られた構造の妙。雲に似たゆらぎに心が和らいだ。ふと「安田侃」を撮れるかなと思った。

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うーん・・。夏の半ばに、初めはキャプションもなくいきなり登場した重量感とかすかな違和感は、再現できない。やはり感じたときが写し時だったのだと悔やまれた。これまで札幌に設置された作品は、筆者が知る限りでは白っぽい色が、積雪の街にやわらかく馴染んでいた。しかし、今回の「野外彫刻展ー街に触れるー」では、黒々としたブロンズ等。安田侃というゆったりしたフォルムは同じだが、より強く存在を主張している。地下道に置かれている作品に、ふと坑道からの声を聴く想いがした。「忘れていただろう。」と。街をつくる労をとった方々。思い出してもらえる人ではなくとも、その人、その人々が生きた土地へのその人、その人々の重い思い。作者が炭鉱の町に育ったことを思った。

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単調にも思えた場所だが、優しく語りかける樹木や空の下にもぐって、自分の用事に意識を集中するうちに、人間一般について無意識が考えを形成し始めた。

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このへこみ具合は、天窓からの光の形状となんか近いような・・・。彫刻というとどうも凸型を勝手にイメージしているが、凹型をみていると、いろいろ言われて思われて凹んだ気持ちが表現されているように思えて、感情がゆるんで来た。

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地下歩行空間から、西へ曲がる北1条地下歩道の入り口で、新旧の札幌の街を写した写真展が開かれていた。

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札幌駅および南口風景の変遷は、サッポロの街の変化の象徴のように思えた。外国かしらと思うような洋風の札幌停車場から、合理的なビルと具象彫刻へ、2003年のJRタワーオープン以降、駅内で大都会を形成しているようにも感じられる現在。札幌駅前地下歩行空間によって、人の動き方は違ってきているのだろうが、これから札幌の街は、人々はどのように変容してゆくのだろう。人それぞれであろうし関わる世間も違うが、意図するしないに関わらず社会を形成していることは確かだ。

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外へ出ると高い澄んだ空のもと、矩形の建物の中で働く多くの人々がいる事を思った。さあ、仕事!