巻き戻しの秋
秋の風景を撮るにいい時期、仕事に没頭していた。仕事を頂けることはありがたいことだし集中する纏まった時間が必要だった。
北大植物園の木々を横目で見ながら、時折北大カードで入園し、かしゃかしゃシャッターを押した。植物たちが有機的に生育している状況に、元気をもらった。ふえているカラスがすこし怖かったけれど、そっと歩くと何かしてくる訳ではない。
15年も入力を続けているデータの量も膨大になっていて、いくつか根本的な整理をかけている。分析はもっぱら社長の仕事だが、その一歩手前の変動の兆候や、傾向値から新たなカテゴリーを発見したいと望んでもいる。雑木林にまぎれているとふと気分は高群逸枝っぽくなって、表現よりまず先に読み込みとばかりに、事務所にもどり篭りはじめた。
そんな風にしているうちに葉は色を変えてゆき雪も降った。納品を終えた今日は、インディアン・サマー。語源はさまざまだが、先住民族のイメージと季節がもどってゆく感じがある言葉に、ふと撮り残していた2011年の秋を呼び戻そうと思った。まず今朝の植物園から・・・。
今年は秋が長く11月21日にも、まだ木々は最後の輝きを保っていた。
10月にはじまった本格的な色づきだが、今年は黄色味がまさっていた。
葉を赤くするアントシアニンの量が、温度や日照と関連したのだろう。輝く色にまぎれて歩いた。物語めいた風景が身近にある事により心がたしかに落ち着いた。
植物園の中から、周囲の建築物が見える。
植物園は塀に囲まれているのだが、中に入ってしまうと解放された気分になる。植物たちの自在な共生が作り出す細やかでダイナミックな空間が、面積以上の広さを感じさせるところもあるだろう。
窓の外はまだ少しオータム。さて、次の仕事にかかる前に、雪が積もる前に近くの街路樹と建築物のかかわりをサッポロ・シティ・フォーカスPART?
でとりあげておこう。