降雪都市
堅牢な構築物で固められた都市にあって、雪は地面の形をすっかり変えてしまいます。雪のない季節、札幌都心の道は扇状地上にあるので、多少の起伏はあるものの概ね平らになっています。そのアスファルト車道とブロック舗道に大雪が降ると、そこここに小さな山ができます。
車道は、夜間のうちに除雪されますが、脇によけられた雪にまた雪が積もって、降ったより多く積もっている場所もできます。崩れないためでもある人口構築物の堅さを和らげるためにも、日本の都市には多くの街路樹が植えられていますので、葉が茂り始めて建物の見えがかりが徐々に変わってゆくことはありますが、災害を除いて、大雪の跡のように一気に風景が一変することはまずありません。
わたしたち雪国の都市に暮らす人間は、物事が一気に変わる事に対して、柔軟は感覚を持つことを余儀なくされているのかもしれないと思うときがあります。
忍耐強い大人に守られて、子供たちも冬に学ぶことが多いのではないでしょうか。ところで、舗道が乾いているのはロードヒーティングがされている為です。電力について問題にされる向きもあるかもしれませんが、子供やお年寄り等、歩くのに不自由さがある人々への優しさは守りたいものです。
話は、雪によって変えられる都市風景に戻りますが、雪による構築物の変化は、都市の中の造形物との楽しみも促しています。
来月から始まる「さっぽろ雪まつり」は、雪像だけではなく、このようなミニジャンプ台も設置されていて、トップレベルのスノーボード、スキージャンプを見ることができます。 雪がある街ならではの楽しい仕掛けも、札幌を特徴づける大きな要素だと思います。