サッポロ シティ フォーカス

the sight where I met the unconscious of a city, which was crossing the city consciousness.

意識の中の風景、風景の中の意識。

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大丸藤井へ事務用品を買いに行った帰り、二番街南1条通交差点で、静かに佇んでいる女性を見かけました。ファインダーを覗いています。クルクルッっとピンをあわすと、いつ押したのかわからないうちに、いつの間にかカメラはバックの中・・・。憂いを含んだ横顔で、私の前をプロのバレリーナのようにすっと過ぎてゆきました。

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コンパクトで軽やかな一連の動作に、すっかり魅了されました。あきらかにプロフェショナルを感じさせる気配。会社に戻って夫に話すと、「カメラをとるっていうのは、自分を消してゆくんだからな」といいます。「風景ばかりとっているとその感じはつかめんぞ」といいます。「少し人物をとるとわかると思うよ。相手が撮られてもいいという感じになるくらいこちらが引く。」

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気付かれないように撮り、発表に際して問題にならないような風景として、肖像権をクリアするのでしょうか?そのことはさておき、先の女性の不思議な存在感に撃たれたままです。落ち着いた風情になにか独特の感情が漂う横顔。フォトログで、最近このあたりの写真をアップされている方の写真をふと思い出しました。ありのままの札幌でありながら、同時にとっている人の憂愁が見えていました。私の中で、勝手にその写真と、先のフォトグラファーがリンクしました。

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日常の意識の中で、外部の事物と自分の感情は別のように感じられます。しかし、外部の事物を表現しようとするとき、風景と意識は不思議にかさなり始めます。当たり前のそんな事に気付くにも、「具体的に、南1西2交差点で、無駄な動作を感じさせないカメラマジックを生きていた一人の方を見かける」という現実が必要でした。

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出会いといえば、南1条通で上の子のPTAで知り合ったお母さんと偶然会いました。パッチワークの会をずっと引っ張って来られた方です。路上で子供同士の話を若干して、「久しぶりで嬉しかった!」とお互いに手を振って反対方向へ歩きました。(上の写真は札幌大通公園です。)

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そこここで桜が開く陽気の中、花のような女性の実在に、心晴れやかになりました。(上の写真は、大通公園南側に自生する蔓日日草です。)