地中を飛ぶ鳥。
鳥は飛ぶ時、実のところ、どのような感じ方をしているのでしょう。映画などで、そのダイナミックな移動感を疑似体験すると、胸のすくような気持ちになります。
かつて、バレエの基礎を習っていたとき、飛び方を色々教えて頂いた事があります。ぐっと膝を曲げて、体を沈め一気に飛ぶ。初歩的な段階で、レッスン場に通うのはやめることになりましたが、一瞬、空に引き上げられたかのような嬉しさは、忘れられません。
ダンスを見る楽しみは、一緒に踊っているような一種の憑依感といえなくもない気がします。空を飛び続ける鳥を見る時も、こころが高く上がってゆくときがあります。
札幌の地下街の中には、大きな鳥かごがあって、時折、立ち止まってじっと眺めている人がいます。オーロラタウンの西1丁目です。短い距離ですが、セキセイインコが、ふっと羽を広げて移動します。
見ていると、もぐらのように地中にありながら、感情だけ天上を行き交い始めます。かわいらしい楽園に、憩う場所です。