遠い日からの贈り物。
岩波書店から出版された正方形の小型絵本をご記憶の方は、少なくないと思います。その中に、石井桃子が訳した「ちいさいおうち」というバージニア・リー・バートンの本があります。
表紙にも描かれている切妻屋根のかわいらしい家のまわりに、次々に家が建ってゆく様子が描かれています。最後に、その家は田舎へお引越しをします。
そこで、「ちいさいおうち」は、「いなかでは、なにもかもが たいへん しずかでした。」というのです。でも、都会の方では、「ちいさいおうち」がいなくなって、さびしくはなかったのでしょうか?
昔の建築物に出会うと、ほっとする時があります。仕事でつかれはてて、ぼろ雑巾のようになっているときです。たくさんの人々の想いを入れてきた箱をみると、無駄なことはなにもないように思えて勇気づけられます。
札幌の街づくりが始まった頃、札幌軟石でつくられた建物がたくさんありました。2004年に市都市計画部によってまとめられた札幌の景観色の1色に「ほんのわずか青みがかったグレー」として、「札幌軟石」が指定されています。