COLOR OF THE INSIDE
雪折れしてしまった桜の枝を、水につけると赤い色が染み出てきます。染めると木綿の布が、実に味わいのある桜色になります。植物が、次の季節の色を、内側に宿していることに驚きます。
西1丁目の桜。花の色を含んで、明るい茶色が覗いてします。こんな無骨な肌から、あの繊細な花びらが、手品のように生まれます。
視界を遮る枝が、次の季節には、のぞまれて視野を専有します。
お取引先に書類をお届けして、足元を見ます。
西5丁目の舗道。どなたかが掃除した跡。
飛行機雲。
東に戻って、市役所前のレンガ道の間に緑。
針葉樹たちも、冬とは違ってきている風を喜んでいるかのように葉を少し捩じらせています。
創成川沿いのプラタナスの根本では、芽が行進を始めているようです。
新しい季節。不安な知らせもあるけれど、現れるべきものは現れて、望まれている事も芽生えているはず、と思いたい。
土から身を乗り出しているのもいます。