超然として
12月5日に少し雪が降ったので、大通公園に写真を撮りに来たが止んでしまった。白く積もった雪に、背の高い彫像が威を起すかのように立っているのに気付いた。
大通公園には、多くの彫刻があるが概ね日常の心を現すおおらかな作品が多い。観光案内に差し支えない庶民的な風情のもの。しかし、ここ10丁目の黒田清隆とホーレス・ケプロンは、その立つ位置も大きさも異なる。高い位置にあるので、よく顔をみることもなかった。
北海道百年記念に1967年設置。権力者の像を見るのを避けていたが、白い大通公園でしっかり見た。大きな権限を持った人間の立ち姿だ。黒田清隆が長官となった開拓史時代は、中央財政との比較においてかなり力を注がれた時代らしい。
1871年に渡米した黒田の要請で北海道開拓顧問を引き受けたアメリカ農務長官ケプロン。札幌農学校開学を進め麦作を奨励しサケ缶詰製造工場を進言したらしい。明治期の北海道政治史をひもとく視点をしっかり持ってはいないが常識に類することは知っていたいと改めて思った。 一週間後の今日、12月12日、また雪の大通を撮りにきた。像は、雪にかすんでみえた。 今日、12日、雪降りしきるなか、像に少しかすみがかかった。歴史的評価はすでになされているだろうが功罪含めて人々の記憶を読みたいと思った。賛美からも批難からも距離をとって・・・。