石狩川河口
サッポロ扇状地を形成した豊平川の流れ込む石狩川。さらに海へ向かう地点に辿り着いた。海が川の水を押し返していた。
遠くに3月24日に出かけた灯台のある対岸が見える。鷗が石狩川方面に群れる。
河口の川幅があまりに広い。流れてきた方向の先に、通ってきた石狩河口橋が小さく見える。
沿ってあるいてきた知津狩川は、砂浜にゆったり紛れ込んでいた。
川が海に向かう地点は、どこからが海でどこからが川なのか見分けにくい。写真に撮るとなおのこと。ただ周囲に広大な水がある。地図上でくっきり見えても、現場は茫漠としていた。現実が茫漠として見えるとき、大きな流れの中にいるのかもしれない。鳥になりたくなる。
状況をファインダーに収めきれない合流地点。
私のような野心を持たない連れ合いは、淡々と撮って先に歩き出した。
鳶に止まってもらおうとしていた。カメキチの妻に見せてくれるためか、と、一瞬思ったけれど、とにかく生き物が好きなのだ。茫漠とした風景の中で、意志を持った人間の存在を大きく感じた。