終わりに、始まること。

　木々が燃え立つ色の「秋」が、一瞬、唐突に終りました。札幌の本格的初雪。何度か、あ、と思う間に降り止み、きっぱりと冷たい空気を残して「冬」を予告しました。
　

　冬という漢字の語源は、糸の結び目だそうです。終わりということらしいのです。
　
　写真の旧拓銀本店の北洋銀行大通支店ビル（札幌市中央区大通西三）は、地下二階地上十五−二十階建ての大型オフィスビルに建て替られる方針が固まったようです。早ければ二〇○六年度中に着工し、○九年度中の完成。

「Look around ,
Leaves are brown,
And the sky is a hazy shade of winter .」
サイモンとガーファンクルが、たたみかけるように歌う「冬の散歩道」、を思い出す季節です。

　二人が別の曲で、歌った建築家のフランク・ロイド・ライトは、住まいの室内は、秋の色がいいといったそうです。確か「収穫の色こそ、一日の仕事を終えて、安らぐ場所にふさわしい。」といった意味合いの言い方をしていたと思います。

　おとといの小春日和に、光を浴びた秋色の葉にシャッターを切りました。

　きのうは、まさにHAZYな空のもと、木々は何かにおびえるように、最後の晴れ着を震わせていました。

　そして、今日・・・。

　ただ、木々には申し訳ないけれど、雪が好きです。たえまなく、ふりくる様子をみていると、世の中には、清く美しい何かがあふれているような気がしてくるからです。他の季節には見えないけれど・・・