近代様式 OF JAPAN & BRILLIANT STYLE IN 西洋。
建築物が建てられたのち、庭がつくられると思い込んでいたら、明治の初めは違っていたようだ。
偕楽園は、1871年(明治4年)造成。清華亭は、1880年(明治13年)建設。
ジャパニーズモダンという言葉は、すっかり定着し、和の要素を取り入れたスタイリッシュな空間は、マンションのモデルルームの定番だ。
しかし、このエクセルのような格子を見ていると、そもそも、西洋のモダンスタイル自体が、日本のものまねに見えてこないわけでもない。
この洋室は、保存にご尽力された方々の美意識や歴史認識なのだろうか?赤い絨毯。凝ったアールヌーボー調の照明は、永山邸も豊平館も同様。西洋の美意識がシンプルなものに向き、東洋では細やかにと言われることもあるが・・・。
世襲を旨とした封建体制のもとでは、変わらない全体状況をあえて見る要求は生まれにくい。目の前のこまやかな作業に没頭するのが幸せというものだっただろう。
個人が自分のまなざしに責任をもとうとすれば、総体を見渡せるシンプルな方法が必要になるのではないだろうか。
前近代社会と、近代社会では、デザインに大きな違いがあるように思うのだけれど・・・。 明治時代の和洋折衷型は、何がいいのか、手で、一つ一つ、しっかり、探しながら作っている誠実さを感じることが多い。 こうしかありえないという合理主義ではなく、縦横に渡りをつけてゆくというような・・・。